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どうしても外れないナットに業を煮やしショットガンで撃ち抜いた男性、重傷に
怒り狂い我を忘れるのは動物もヒトも同じだ。
何かの拍子で、頭の浅いところに張られている琴線がブチッと逝くとする。するとたちまち私たちは嫌なくらいワイルドになってしまうわけだ。
普段は理性で無意識のうちに感情を抑えてしまっている我々。その枷が外れた時の狂乱といったら、暴れ馬も固唾をのむほどだ。

時にヒトは、無機物に対してその鬱憤を爆発させることがある。
作業中にフリーズしてしまったPC。知恵の輪を凌駕するほど複雑に絡み合った配線。足止めをくらって数日、どうしても先に進めないRPG。目覚ましをセットしたにも拘らず、電池切れで何の役にも立たなかった時計。その他諸々、数え上げたら切りがない。

米ワシントン州、シアトルの10マイル南西に位置するサウスワースに住むこの男性も、行き場をなくした怒りを無機物に叩き付けた一人だ。
土曜日の午後のことである。
車好きだった彼は、自慢の愛車リンカーン・コンチネンタルの修理に自ら取り組んでいた。
この作業もこれで二週間目に突入する。ただ、作業の進み具合は如何せん順調と言えるものではなかった。
日に日に溜まる不満。

今年で66になる彼は、自らが自動車に傾ける情熱と集中力、そして熟されたスキルは他人に披露しても恥ずかしくないモノだと自負していた。
しかし、身体の衰えによる作業の不効率化は否めない。それは彼の想いを少しずつ、しかし確実に削いでいたのだろう。
その日、決定的な出来事が起こった。
彼がホイールに装着されたラグナットを緩めようとした時のことである。
車両の左右にあるラグナットを全てはずそうと発起した彼だったが、左側は全てはずす事ができたものの、右側のリアホイールの一つだけが何としてもはずせない。

何度も試行錯誤する彼だったが、既にそのナットをはずそうと試みてから40分ほどが経過していた。
頭にのぼった血は沸騰間際。
彼の瞳の奥は深鍋の底のようにぐらぐらと煮えたぎり、今にも間欠泉が哮りそうなほど。

怒り心頭といった様子の彼は無言で大地を一殴りすると、ゆらりと立ち上がった。
手にしたのは12ゲージのショットガン。
武器を手にとった彼の目は信じられないほど沈着に、しかし容赦が欠片も感じられない鋭さでナットを眇めていた。

手慣れたふうに照準を合わせる彼。もちろん狙いは憎きナットである。
もう当初の目的である車の修理なんてどこ吹く風だ。今考えるはその生意気なナットをホイールから打ち抜くことだけ。
引き金が、絞られた。

彼は腕の長さ程度の距離からホイールに向かってショットガンを撃った。ホイールは「爆発」し、飛び散った破片は両脚を傷つけたという。
彼はこの件で脚だけでなく顎にも傷を負っている。
男性はタコマ病院に運ばれた。重傷だが、命に別状はないとのこと。

米男性、車の修理中にショットガンでホイールを撃ち重傷 | エキサイトニュース
2007年11月16日 / TB:0 / CM:0
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