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路上に舞い降りた紙幣
雨はぽつぽつと降り、雪ははらはらと舞う。紙ではどうだろうか。
米マサチューセッツ州モンタギューのとある路上に紙が舞い降りた。きっとその紙が降ってくる時の擬音はドルドルであったに違いない。

天気のよい火曜日のことである。メアリー・オリーブ・コルビエールさんはこの日ドラッグストアを訪れていた。コルビエールさんは今年で83歳。ちょっとした移動にも車の運転は欠かせないものとなっていた。数年前にできたこのドラッグストアも通い慣れたものである。
もうすぐクリスマスがやってくるという事もあり、コルビエールさんは1100ドルの紙銭を銀行口座から引き出していた。もちろんクリスマスプレゼントを買うためである。

コルビエールさんは店で買い物を終えると、ショッピングカートを押しながら駐車場へ向かった。濡れたような光沢のある黒い乗用車、その後部座席へコルビエールさんはショッピングカートから品物を押し込でいた。購入したものはどれも小物である。自分の車へ品物を運び入れる作業はすぐに終わったのだが、大変な事態はその直後に起きた。

突如として大風が吹き荒んだのである。止まることも知らないまま列車のような勢いでやって来たそれは、朽葉や塵芥を呑み込み、剰えコルビエールさんが押して来たショッピングカートにまで手を伸ばした。
コルビエールさんの財布と杖を委ねられたショッピングカートは、何の抵抗もなく突風につれられて移動した。近くに停車していた配達トラックの後部にそのショッピングカートがハマるのはあっという間の出来事だった。
最悪だった。コルビエールさんが風に煽られたまま唖然としていると、そのトラックが静かに駆動を始め、やがてその場から走り去ってしまったのである。少なくともコルビエールさんの声が運転手に届くことは無かった。

事の起りに全く気づかないトラックの運転手は、次の配達先へ向かうため、ショッピングカートを尻に携えたまま街の主要道路を駛走した。
網の目のように広がった街の道路を軽快に疾駆するトラックの後部からは、やがて紙幣が舞うようになっていた。コルビエールさんの財布が開いてしまったのである。
街を行く人々は例外無く目を疑った。中には警察に連絡する人もいたが、目の色を変えるように現金を拾い集める人がいたのも然りである。
やがて、現場付近からはボロボロになったコルビエールさんの小切手帳と杖が見つかったが、現金はほんのわずかしか発見されていない。

路上に現金が舞い飛ぶ騒動が……何故こんなことに? | エキサイトニュースより

コルビエールさんは、お金が戻ってくるまで待ってはいない。水曜日に再度銀行を訪れて新しい小切手帳を受け取り、もう一度現金を引き出したという。そればかりか、ボロボロになった財布すらコルビエールさんは警察から受け取っていない。
「そんな財布、私にはもう必要ないものですから。本当に必要だったのは杖です。取り戻せてラッキーですよ」とコルビエールさんは言う。
2007年12月01日 / TB:0 / CM:0
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